子育てのプロフェッショナルをめざしましょう

子育て
えとせとら
2024年05月1日
子育てのプロフェッショナルをめざしましょう

目次

子育ては大事な「仕事」

人間の教育で最も大事なのは、乳幼児期の家庭教育

人間の教育は、知育、徳育、体育の3つの分野を家庭教育、学校教育、社会教育の3つの方法で行われるものですが、最近は地域ぐるみで子育てをする社会教育は弱体化しています。

また学校教育も子どもがある年齢に達してから始まるもので、幼児期はその多くが家庭教育によって行われています。

幼児期は、体が大きく成長するだけではなく、心も頭も大きく成長する時期で、知育、徳育、体育の3つともに赤ちゃんの時から始めることが大切です。

将来その子がどんな性格のどのような生き方をする人になるか、どのような能力の持ち主になるかは、幼児期の環境と育て方によって大きく左右されます。

すべての家庭で親が赤ちゃんの頃から愛情かけて大事に育て豊かな働きかけをしてあげれば、どの子も円満な人格の高い能力を持った子に育つでしょう。そうなれば学校も社会も大きく変わるはずです。

このように、人間の教育にとって、最も大事なのが、幼児期の家庭教育です。
その意味で子育ては本当に「大事な仕事」なのです。

「親の仕事」は訓練も試験も報酬もない仕事

親には訓練も試験もなしでなれる

子育てというのは、本当に大事な仕事で、女性の仕事の中で子育てほど大事な仕事はほかにめったにないと言ってよいでしょう。

ほとんどの仕事には訓練や研修や採用試験があり、中には高度な資格が必要な仕事もありますね。

ところが子育てという仕事には、訓練も研修も試験もありません。
親は最初戸惑いながら手探りで子育てをしていき、次第に慣れてきて2人、3人と育てているうちにだんだん上手になり、ある程度上手になった頃には子育ては終わりということが多いようです。

そして子育てが終わった頃、今からもう一度いちから始められたらもっともっといい子育てができるのだが・・・という思いを持つことが多いものです。

大事な仕事にもかかわらず、何の勉強も訓練も研修もなしで親になり、親になってからも子育てについて学ぶ場がほとんどないに等しいというのは、おかしいことですね。

これほど大事な仕事に取り組む以上は、自信を持ってよい仕事ができるように、子育ての勉強は是非していきたいものです。

子どもの心理や発達・上手な子育ての方法を学ぶ

子どもの心理や発達、上手な子育ての方法を少し知っているだけで、苦労の少ない楽しい子育てができる

子どもの心理や発達についての知識が少しあるだけで、迷ったり心配したりすることが少なくなり、安心して子育てができるものです。

(例)

  • 人見知りや反抗期があるのは健全な発達をしている証拠で何ら心配はいらない。一過性のものでそのうちなくなるものである。
  • 物事の秩序や順序、手順などに異常にこだわる時期がある。
    またその時その時に発達している能力を伸ばすためにあることに執着して、繰り返し繰り返しやりたがる時期がある。
  • 言葉の発達には個人差が大きく、2歳を過ぎても言葉が全く出ないようなこともある。

また、上手な子育ての秘訣や工夫を少し知っているだけで、子育てがとてもうまくいくことがあります。

(例)

  • 「親業」の手法などを使うと、親子の対立や葛藤が解消され良好な親子関係が維持できる。

前もって勉強しておくことで、自信と余裕をもって子育てができる

子どもができる前に胎教、妊娠中に乳児教育、赤ちゃんのうちに幼児教育、幼児のうちに児童教育・・・というように前もって勉強しておけば、自信
と余裕をもって子育てができます。

育児書や教育書からどう学ぶか

複数の本から自分の感性に合う、納得できる教育法を選ぶ

育児書や教育書を読むとさまざまなことが主張されています。

どの本にも共通していることがありますが、本によって相反する内容になっていることもあります。
1冊の本、ひとりの著者の主張を鵜呑みにすることなく、複数の本を考えながら読み、一番自分の感性に合う、納得できる教育法を選ぶようにするとよいでしょう。

無理なく楽しくできることを実行する

育児書や教育書には、なかなか実行が難しいことも出てきます。

特に天才的と言ってよいほどの高い能力に育てた事例などを読むと、とても真似が出来ないと思ってしまうこともあります。

優秀児の生育歴なども、好条件が全部揃っていたからできたことと言える例が多いものです。

わが子も天才的な能力の子に育てたいと思えば、同じような、超人的とも思えるような努力が必要かも知れません。

実際、障害児の親はちょっと真似の出来ないような努力をしてある部分健常児以上の能力に育てている人がいます。健常児の親が同じような努力をすれば、驚くべき能力が育つのは間違いないでしょう。

従って、わが子を天才児に育てようと思うなら、同じようなことをすれば驚くような能力が育つでしょう。

しかし、そこまではよほどの好条件が揃っていなければ出来ないものですし、普通の親はそこまでは思わないでしょう。

超人的な努力の何分の一かだけでも、参考にして実行するだけで大きな成果があがることでしょう。自分もできそうだと思えることを、やればいいのです。

また、天才や歴史に名を残すような偉人を育てた子育ての本を読んで自信をなくしたり、自分はだめだなどと思う必要もありません。

天才や歴史に名を残す偉人を育てようとしているわけではないのですから・・・

普通の親は体を育てることだけで精いっぱいなところを自分は乳幼児期から心を育てることや、能力を育てることまで頑張ってやっているんだという自信を持って、無理なく楽しくできることをするようにしましょう。

大事と思えることは、繰り返し読み、意識して実行しようと努める

育児書や教育書を読むとなるほどと思えることや、これは実行しようと思うことが出てきますね。

しかし、読んでしばらくするうちに、読んだ内容を忘れていって行動は何も変わっていないということがあるものです。

読んで、これは大事と思えることや、やってみようと思う部分は何度も読み返して、日々それを意識して実行していくことが大切ですね。

これは日々意識して実行しようと思うことは、紙に書いて貼っておいて、毎日ながめたり、日々「1. ○○、2.○○」と思い起こして意識して実行するとよいでしょう。

よい子育てをするには、謙虚な向上心とともに、自信と自己肯定感も必要

謙虚な心と向上心を持って子育てをする

「自分はまだまだ至らない点が多いので、よい子育てができるように努めなくては」と謙虚に反省し、向上心を持って努力することはとても大切なことです。

特に子どものしつけをしたり、叱ったりする時には、親は自分が完全無欠のように振舞ってしまうことがあるので注意が必要です。子どもが親に向かって言い返してくるようになり、何かを注意すると「お母さんもやっているくせに!」と言って反発することがあります。

母親が「お母さんも確かにできていないことが多くて難しいことだけど、○○するよう努めようね」という言い方をすると、子どもも素直に聞く耳をもつようになります。

日本有数の彫刻家の方とお話をした際、「僕はまだまだ駆け出しでもっともっと勉強しないといけません。あのミケランジェロと比べると・・・」と言われた時には、非常に驚いたものです。

目標が高ければ高いほど、謙虚になり向上心を失わないでいられるものです。
常に向上心を持って、よい子育てができるよう、子育てについて学んだり、考えたりしようと努めることは、大事なことですね。

自信と自己肯定感を持つ

その一方で、明るく前向きに生き、何事にも意欲的に取り組めるためには、自信と自己肯定感が必要です。

自分で自分のことを認めて、「よくやっているね」と自分をほめてあげることは、意欲的に子育てをするためには、大事になります。

幼児の頃から、わが子の教育を真剣に考え、いい子育てをしてあげたい、そのために勉強もし、努力もしようと思われているのはとても立派です。
幼児期の子育ては、必要最低限の世話をしてあげるだけでもけっこう大変です。まして子どもが2人、3人になってくると、戦争のような毎日になることがあります。

そんな中で、最低限のお世話以外に、子どもの相手をしてあげたり、知育や徳育もしてあげようと思われることは偉いと思います。

「確かに至らない点や十分なことがしてあげられないこともあるが、自分は頑張って子育てをしている」という自信と自負は是非持っていただきたいと思います。

人間は、自分のしていることをしっかり見ていてくれて努力すれば必ず褒めて励まし続けてくれる人が身近にいれば、ものすごい元気がわいてきて、自分でも驚くほどの努力ができてしまうものです。

だから、夫婦や親子、職場や近所の人がお互いにそのような対応をしてあげるのが理想です。しかし、他人はもちろんのこと、身内でもそれをしている人は希なのが実情です。

そうであるならば、意欲的に子育てをするために、自分で自分のことを高く評価して、ほめてあげる、そして確固たる自信と自負を持つことが大切になります。

自分は頑張っているんだ、熱心な子育てをしている努力家なんだという自信と自負を持つようにしましょう。

子どもの教育は、時間も労力も幼い時ほど集中してかける

早ければ早いほど高い成果をあげることができる

子どもの教育は、幼い時ほどらくに高い成果をあげることができます。これは、知育・徳育・体育のすべてに言えることです。

親はどこかで子どもの教育を真剣に考えて、懸命に子育てをしなければならないようです。大きくなって何か問題が出てきてからあわてて子どもの教育にとりかかるようでは残念です。

「教育に遅すぎるということはない」というのは、その通りですが大きくなればなるほど、苦労が伴い努力が必要になります。

子どもの教育は、乳幼児期に時間も労力も集中してかけておけばらくに高い能力が育つだけではなく、自立も早いので親も子も早くらくになります。

子どもが小さいうちは家事を完璧にこなそうと思わない

子育てに時間や労力をかけるためには、家事も完璧にこなそうとすると無理が生じてストレスがたまります。

どこかで手抜きすることも必要で、子どもが小さいうちは家事を上手に手抜きすることも必要です。

能率や時間を上手に使うことを常に考える

子育ての最中は本当に忙しいもので、特に子どもが乳幼児のころは、ほっと一息つく間もないような忙しい毎日が続くことがあります。

時間の使い方しだいで、やろうと思うことの一部しか出来ないまま1日が終わることもあれば、充実した手ごたえのある1日にできることもありますね。

時間の使い方や能率は、工夫しだいで大きく違ってきます。常に時間の上手な使い方や能率、合理的な家事のしかたなどを考えるようにしましょう。

自分のやりたいことは、子育てが一段落した時の楽しみにとっておく

自分のやりたいことを、子どもが幼児の時にやろうとすると、なかなかそれができないために、それがストレスになったり、心から子どものためを思って相手をしてあげられないことがあります。

幼い時に時間もエネルギーも集中してかけておい てあげれば、大きな成果があがるだけではなく、子どもの自立も早いので、母親も早く自分のやりたいことができるようになります。

子育てを楽しむ

子育て中は、自分のやりたいことをあきらめたり、我慢したりするというよりは、子育てそのものが楽しくて、一種の「趣味」のようになれば理想的ですね。

趣味とは、やりたい時にやって、したくなければしないですみますが、子育てはそうはいかないので、子育て全部が趣味になることはないでしょう。

しかし、子どもの相手のしかたや楽しい遊び、楽しく学習できる工夫などを考えるのは楽しいものですし、それが「当たって」子どもが喜んで楽しく取り組み、成果があがればとても嬉しいものです。

子育ても、そのように楽しんでできれば理想的です。

疑問や迷い、悩みを解消できる機会を持つ

子育てに疑問や迷い、悩みはつきもの

子育てには疑問や迷い、悩みなどはつきもので、特に1番目の子は初めての経験なので、戸惑うことも多いものです。

昔は大家族の中で子育てをし、地域社会との結びつきも多かったものですが、最近は相談相手もなく、「母と子の密室育児」になっているケースもよくあります。

疑問や迷い、悩みを解消する機会を持つ

子育ての疑問や迷い、悩みなどは上手に解消できる機会をもつことが必要です。

子育ては二人で考え二人で子育てをするのが大事です。
身近な人にも支えられながら、地域の子育てサークルや、子育て支援活動、幼児教室などに参加するのもよい方法です。

リフレッシュとストレス解消をする

意欲的に子育てに取り組めるためには、親自身のリフレッシュやストレス解消も必要です。

忙しい1日の中で一人になってほっと一息つけるリフレッシュタイムを無理にでもとるようにするとよいでしょう。

こういう時間を意識して取らないと、朝起きてから寝るまでずっと家事や仕事や育児に追いまくられて1日が終わることになりがちです。
そうして欲求不満やストレスがたまってくると、子どもに笑顔で接し、楽しく相手をしてあげることが難しくなります。

子どもが眠っている時間などに、家事をこなしたい気持ちを抑え少々家事が手抜きになっているのも目をつむって、たとえ15分程度でもひとりで、くつろいでリラックスとリフレッシュをする時間をとるとよいでしょう。

子育ての最中は、子ども優先の生活になって、親自身のための時間がまず犠牲になりがちです。
時には親自身のための時間(これにはまわりの理解と協力が必要ですが・・・)や夫婦二人のための時間を前もって取ってしまっておくようなこともするとよいでしょう。

愛情をかけて、よい子育てをすれば、素晴らしい「報酬」が待っている

子育てという仕事は、報酬のない仕事?

金銭的報酬が全くないのと、いくらよい子育てをしても、認められ褒められることのめったにないのが、子育てという仕事の辛い点です。

では、どんなに一生懸命よい子育てをしても、報酬は全くないのでしょうか。

子どもが感謝してくれ、親自身が満足感と充足感を感じられることが最大の報酬

今すぐ報酬は得られなくても、将来すばらしい「報酬」が待っています。
幼児期にがんばってよい子育てをしておけば、大きくなるに従って、子育てがらくになっていきます。そして、子どもがよい子に育ち、学習や習い事などがよくできるなどの嬉しい成果が出てきます。

そして、子どもが大きくなった時に「今自分があるのは、お母さんお父さんが、あの幼い頃から愛情かけて熱心な教育をしてくださったおかげ」と感謝してくれます。

そして親自身も、できる限りのことは精いっぱいやってあげられた、そのおかげでこんなに立派に育ってくれたという満足感を感じることができます。

これが何よりの「報酬」です。

本記事画像著作者:pikisuperstar/出典:Freepik