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幼児期の知育を成功させる秘訣
しかし、反面小学生以降にはない難しさもあり、注意や工夫が必要です。
うまくいけば高い成果をあげられますが、やり方が適切でないと十分な成果があがらないばかりか、学習嫌いにしてしまったり、意欲や自主性が育たず逆効果になってしまう恐れもあります。
幼児期から学習を始める以上是非とも成功させるたいものです。
そのために必要な注意点や工夫を常に意識するようにしましょう。
最初はインプットを中心に、アウトプットを急がない
『もう覚えたかな?と思って、読んでごらん、言ってごらんと聞いてみたくなりますが、ここは、その気持ちを抑えて自然に出てくるのを待つようにしましょう。
子どもは、まだよく出来ないことを聞かれるのは、とても嫌なのです。まだよく出来ないことを聞かれると、逃げ出したくなり、もうやろうとしなくなることがあります。
バケツに水を注ぎ続けていれば、やがて必ずあふれてくるように、インプットを続けていれば、必ず出てくるようになります。
『テストをしない』
これは、幼児の指導で守るべき大事な原則のひとつです。
覚えさせようとせず、親子で楽しんで遊ぼうという気持ちで
親自身も楽しんで親子で一緒に遊ぼうという気持ちでするようにしましょう。
自然に目や耳から入ってくるようにする
家の壁に表やカードなどを貼る
- 数字の表
- 文字の表(ひらがな・カタカナ・漢字・ アルファベット)
- 各種カード
(ひらがなことばカード・ ひらがなカード・漢字カード・英語カードなど) - 地図
- 図鑑のポスターなど
これらを、子どもの目の高さに貼っておいて、興味を示したら、読んであげるようにしましょう。
音楽を流しておく
- 童謡・英語の歌・愛唱歌・すうじのうた
- 英語の学習用CD
- あいうえおの歌・たしざんの歌・かけざんの歌など
本人は意識して覚えようとしたわけではありませんが、いつの間にか覚えてしまってまわりを驚かせることがよくあります。
足し算や掛け算も歌も流しておくだけで、らくらく覚えます。
聴きなさいと言う必要はありませんし、言わないほうがよいのです。
親や兄弟がやっていることを覚えてしまう
直接本人にやらせようとすると、拒否反応を示すようなことがありますが、こういう方法ならいつの間にか覚えられ、かつ意欲を育てることも出来ます。
俳句カードを毎日お母さんが楽しんで声に出して、読んでいるうちにそばで遊んでいた子どもがすっかり覚えてしまったような事例があります。
DVDやビデオを見る
英語のビデオを繰り返し見ているうちに、英語のスペルを読み始めたので、英語カードで確認してみたところ、100 枚ものカードをすべて読めるようになっていた事例もあります。
ただしDVD やビデオは見すぎると、稀にコミュニケーション障害などになるなどの危険性もありますので、時間は限定して見せるようにしましょう。
子どもが興味を示すものや、好きなものを使って学習する
一番うまくいくのは、やはり子どもが興味を持ったことや好きなことを使って学習するという方法です。子どもが何かに興味を示したり、好きだということがわかったら、それを使ってやってみるようにしましょう。
大人主導ではなく、子どもの意欲や意思を尊重するやり方です。
文字を覚える方法
- ひらがなの表
- ひらがなカード ひらがなことばカード
- 文字積み木
- 「おしゃべりあいうえお」(押すと音の出る玩具)
- ソフトブロック ひらがな
- DVD・ビデオ
- 絵本(文字学習用ほか)
- かるたとり
乗り物が好きな子の場合
- ミニカーを並べて数を数える
- ミニカーの名前や色を覚える
- 車の図鑑を読んであげる
- 車が主人公のお話を読んであげる
- 車の図柄のジグゾーパズルをする
- 車のナンバープレートで数字の読みを覚える
生活の場を使って短時間にできることをする
そうなったら、いろいろな場所で、ごく短時間でできることをしましょう。
お風呂
- ひらがなの表やすうじの表を貼っておいてそれを読む
- ソフトブロック(ひらがな 数字)をお風呂に浮かべて遊ぶ
- 数唱や九九を聞かせたり一緒に言ったりする
ダイニングのテーブル
- 子ども用の椅子に座らせ、その反対側からカードをフラッシュ方式などで見せる
- カルタ取りなどのカード遊びをする
- イーマスターやトーキングカードなどで学習する
ベッドの中
- 本の読みきかせをする
- カードを見せる
- おはなしを聞かせてあげる
- 子守唄などの歌を歌ってあげる
車の中
- DVDやCDに合わせて歌を歌う
- 英語のDVDやCDなどを流しておく
- 前を走っている車のナンバープレートの数字を読む
- 「しりとり」「なぞなぞ」などで遊ぶ
トイレ
- トイレの壁に表などを貼っておいて、それを読む
腹8分~子どもがやめたくなる前にやめる
幼児の学習は最初の段階は、ごく短い時間にし、徐々に伸ばしていくようにしましょう。
カードを見せる場合も、最初は数枚を10秒くらい見せて、さっと終りにするような方法を、できれば1日3回くらいするとよいでしょう。
幼児は一瞬見たものを丸ごと覚える能力があるので、ごく短時間の学習でも十分効果があります。そのうち好きになってくると、長い時間集中して見るようになります。
また集中力は成長するに従って高くなっていきます。
学習済の事は常に繰り返して維持しておく
たとえ忘れてしまっても、文字を覚える過程で養われた記憶力は維持されますので、忘れても無意味と言うわけではありません。
しかし、せっかく覚えたものを忘れてしまうのはおしいことです。
忘れないようにする秘訣は、常に触れ続けることです。
忘れてしまわないうちに繰り返しておけば、しっかり記憶に定着します。
『これは覚えたからもうよし』と言って片付けてしまうのではなく、出来れば毎日、無理なら2~3日か1週間に1度復習するようにしましょう。
カード類などは、毎日やっていれば、一瞬で言えるようになりますので、多くの枚数復習してもごく短時間で済みます。
今学習中のものに加えて、今まで学習したものもサッと復習するようにしましょう。
枚数が多くなって、一度にすべてを復習するのが無理な場合は、いくつかの束にわけて定期的に復習するようにすれば、一定の期間中にすべてを総復習をすることが出来ます。
『学習済みのことは、常に繰り返し学習し、それに新しいことを少しずつつけ加えていく』
このことが確実な力をつける秘訣です。
できたことを心からほめる
しかしまわりの人に対して、どこまでそれが出来ているかと振り返ってみると、あまりできていないことに気がつくのではないでしょうか。
「心からほめる」ことの重要性と効果の高さをもう一度よく考えてみましょう。
なぜ「ほめること」があまりできないのでしょうか
- 初めてできた時などは感激してほめられるが、そのうち慣れてしまうと、当然のことのように感じて何とも思わなくなる。
- みんな自分のことで精いっぱいで、他の人のことまで関心を持って「真剣に見る」ということをあまりしていないために、ほめるに値することに気がつかない。
- 長所より短所の方に目がいきがちで、ほめることより、注意したり叱ったりすることの方が多くなってしまう。
- ほめすぎると増長して謙虚に反省したり、向上心を持つことがなくなるのではないかと心配する。
心からほめられるようになるには
- 「心からほめる」ことの驚くべき効果の高さを再認識し、毎日意識して、「人を心からほめよう」と思う。
- 「ほめられたい」というのは万人の本能的欲求で、「心からほめることが最高の愛情表現」だと認識する。
- 相手を積極的に観察して、ほめるに値することを見逃さない。
- 何事も「当たり前」とは思わない。
(よく考えてみると、「すごいことなんだ」「立派な、ほめるに値することなんだ」と気がつくことが多い。) - 何事も、肯定的評価をする。
(できないことに目を向けるのではなく、できることに注目する。)
子どもが喜ぶほめかた
- 満面の笑顔、高く明るく大きな声で、感動や驚きを表わす。
「わあ、すごい!! できるようになったね!!」
「よくがんばったね。最後までできたね!!」 - スキンシップをしながらほめる。
両手を握る、抱きしめる、頭をなでる・・・などのスキンシップを伴うほめかたをすると、子どもがとても喜びます。 - 拍手をする、握手した手を上下に振る・・・などの方法で喜びを伝える。
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