目次
言わないとしない子、言わなくてもする子
「勉強しなさい」と言わなくても勉強する子に育てる
「勉強しなさい」は言う方も、言われる方も嫌な言葉で、「勉強しなさい」と言わなくてもする子に育てておきたいものです。
親から「勉強しなさい」と言われなくても、意欲的に進んで机に向かう子がいます。
この自主性と意欲を育てるのが親の大事な役割です。
言われて嫌々やるのと、自ら進んでやるのとでは、楽しさが違います。
また学力のつき方も違ってきます。
「勉強しなさい」と言わないとしない子
- 親から勉強を強制されて学習嫌いになっている子
- 自主性の育っていない子
- ほめて育てられて、学習好きになっている子
- 自主性の育っている子
- 知的好奇心が乏しく、学習意欲が低い子
- 勉強に自信がなく、自分は勉強ができないと思っている子
- 一定の時間机に向かう集中力や根気が育っていない子
- 学習習慣がついていない子
- なぜ勉強することが大事かわかっていない子
- めざす目標や夢が持てない子
「勉強しなさい」と言わなくてもする子
- ほめて育てられて、学習好きになっている子
- 自主性の育っている子
- 知的好奇心旺盛で、学習意欲の高い子
- 学力に自信がある子
- 本をよく読んでいて、読書を通じて高い国語力と豊富な知識が身についている子
- 集中力や根気が育っていて机に向かうのが苦にならない子
- 毎日学習するのが習慣になっている子
- 勉強の必要性を理解している子
- 目標や夢のある子
「勉強しなさい」と言われなくても勉強する子を育てる9つのポイント
学習意欲を育てる
人は誰も強制してやらされるのは嫌なものです。
勉強嫌いで意欲に乏しい子の多くは、親から勉強を強制されてきた子です。
「強制してでもまず学力をつけてやることが大事」、「子どもは強制しなければ、勉強などするはずがない」というのは大きな誤りです。
「勉強しなさい」と言わないでも自主的に勉強する子になるよう、学習を始める幼児のころから「勉強しなさい」と言わないでおこうと決め、自主的に勉強するようになるよう導いてあげましょう。
もちろん、学習習慣が身につき、親の声かけなしでもするようになるまでの間は、「○○しようか?」とか「今日は○○はいつする?」というような誘いかけは必要です。
これは、あくまで誘いかけや提案であって、指示や命令であってはなりません。
最初の段階は、学習日数や量、内容などには当然むらがあります。
また、こと学習に関しては、「決して叱ることのないようにする」、「できたことを心からほめて意欲を育てる」の2点が大事です。
学習に関しては、叱ってしまうというのは、何か問題があると考えるべきでしょう。
やっていることの難易度や量が適切か、子どものコンディションはどうか、時間はどうか、意欲的かどうかなどをよく見るようにしましょう。
また、叱ってしまうのは、親の方に忍耐力が欠けていたり、最初から過大な期待をして無理をさせているからかもしれません。
(もっともわざとふざけるような場合には、たしなめるようなことも必要な場合はあります。)
まず何よりも学習好きにして、意欲を育てることが一番大事と考えて、心から子どもをほめるようにしましょう。
学習するたびにほめられる子は、学習が好きになり、学習意欲の高い子になります。
その際、おせじではなく心からほめられるために、子どもを減点法ではなく、加点法でみてあげるようにしましょう。
また、普通まだ何もできない子の多いこの時期に、もうこんなことができるのはすごい! 短時間でも机に向って座れるだけでも、けなげで偉い!!・・・という見方をしてあげましょう。
自主性のある子にする
親が子どもの将来に期待をかけ、このように育ってほしい、こんな人になってほしいと思うのは当然のことです。
しかし、具体的な進路に関しては、何がよいかは親の決めることではないですね。
それを決めるのは子ども自身です。親の役割は、あくまで子どもの持つ可能性を見つけてあげて、それを最大限に伸ばすサポートをしてあげることです。親の役割は、子どもを背後から見守って、励まし、必要なサポートをしてあげることです。
そうすることで子どもが主体的に自主性を持って自分の人生を歩んでいけるようになります。
これが親主導型で、親が前を走って子どもをリードし、引っ張る育て方をしますと、子どもの自主性は育ちません。いつも受身で、意欲の乏しい子になる恐れがありますし、やり方を誤ると、反発を感じてわざと親の望む道と反対の道を選ぶような子さえ出てきます。
勉強も、純粋に子ども自身の幸せのために必要なことだから、子どもが自主的に勉強に取り組めるようサポートしてあげようと思うことが大切です。
親の見栄や世間体のため、あるいは親の果たせなかった夢を子どもに託すために、こういう道に進ませたいというような気持ちがあると失敗する危険性が高くなります。
親にそういう気持ちがあると、どうしても子どもの意思や意欲を無視して、勉強を強制したり、子どもに「お願い」して勉強をしてもらうという形になりがちです。見栄や世間体が全く気にならないという親はめったにいないものでそういう気持ちは心の片隅にあっても当然と言えるでしょう。
しかし、その気持ちが強いと、子どもの意欲や自主性が育たず、親の望むことと反対の結果になってしまう恐れがあります。
また見栄や世間体のためではない、子どもがこういう道に進むのが子どもの幸せになると確信するから、親が信じる道にリードしてあげるのも考えものです。
子どもがどんな素質を持って生まれ、どんな可能性を秘めているのか、どんな人生がその子に一番幸せかは、すぐにはわからないものです。
またいくら親がよかれと思っても、子どももそれを望むとは限りません。
押しつけられたと感じて反発する可能性がありますし、たとえ素直に従ったとしても、大人になってから主体的に自分で自分の人生を切りひらくことが出来ない人になってしまう恐れもあります。
知的好奇心の強い子にする
知的好奇心の高い子にするには、幼児期からつぎのようなことをしてあげるとよいでしょう。
- 子どもの探究心を満たすことをいっぱいさせてあげる。
探索行動 動物、植物、自然などの観察 機械やおもちゃなどの分解 植物の解剖など。 - 子どもの質問に答えてあげたり、図鑑や実物で調べる。
- いろんなところへ連れて行って、豊富な体験をさせてあげる。
そのたびに関連する本を読んだり、調べたり、それをノートに書いたりする。
学力の貯金を持たせ自信を育てる
自信を持たせるためには、学力の貯金を持たせてあげて、学校の進み方がどんなに速くても苦にならずらくについていけるようにしてあげることです。
学力の貯金は、読み書き計算の基礎学力と、豊富な知識の二つがあります。この学力の貯金は学習を始めるのが早ければ早いほど、たくさん持たせてあげることができます。
幼少期から始めれば、小学校入学前に学校を先取りする形で、読み書き計算の基礎学力をつけることが可能になります。
その一方、いろいろなものを見たり触れたりする体験をいっぱいさせ読書などを通じて、豊富な知識を身につけておけば、学校の勉強が楽しく興味を持ってできるようになります。
読書と書くことで、学ぶ楽しさを味わわせ豊富な知識を身につけられるようにする
読書を通じて楽しみながら豊富な知識が身につくので、学校で習うことがよくわかり、興味を持って学ぶことができます。
またいろいろなことをよく知っているので、詰め込みの暗記などをしなくてすむので勉強が苦になりません。日記、お手紙、自由研究ノートのようなものを書き続けることで文章を書くことが好きで得意な子になります。
そういう子は、学校の勉強や受験勉強が楽しくラクにできます。
机に向かうのが苦にならないようにする
幼児の頃から、一定時間机に向かって何かをするということをやり続けて、根気や持続力を徐々に育てていけば、机に向かうのが苦にならない子になります。
まずは、子どもの好きなことをごく短時間机に向かってすることから始めて、少しずつ長い時間机に向かえるようにしてあげるようにしましょう。
お絵かき、シール貼り、カード遊び、本読み・・・こういうことを幼い頃から毎日やり続ければ、そのうち長時間根気よく机に向かえる力が育ちます。
学習習慣をつける
そのために必要な時間は、学年×10分~15分と言われています。小学校1年生だったら、毎日10分から15分、2年生なら20分か30分程度というわけです。
これも、小学校に入ってからいきなり毎日勉強しなさいと言われてもなかなかできないものです。幼児の頃から毎日机に向かうのが日課になっていて、生活の一部になってしまっている子は、当然のように毎日机に向かいます。
「勉強しなさい」と言わなくても毎日学習する子は、意欲と自主性が育っているとともに、この学習習慣がついている子です。
この習慣をつけるのには、やはり時間がかかります。
習慣がつくまでは、親が一緒に座ってあげて、つきあってあげることが必要です。親も子も先々らくができるよう、幼児期の間は極力毎日親子一緒に机に向かうのを日課にして、幼児期の間に学習習慣がつくようにしてあげましょう。
勉強の必要性を理解させる
特に小学校高学年から中学校のころ、勉強の必要性や重要性をよくわかっている子は、自ら意欲的に勉強するようになるものです。
目標と夢を持たせる
目標めざして、チャレンジしている子は、はた目にはとても大変と思えるようなことも頑張ってやりぬきます。
達成した時の喜びが大きい目標ほど、努力のしがいがありますし、大きな魅力的な夢ほど、やる気もわいてくるものです。
例えば、幼児や低学年の子で、スイミングや算盤などに自ら頑張って取り組むような子は、次の級に上がるのを目標にしているようなケースが多いものです。
入試めざして猛勉強をするような子も、目標校への強烈なあこがれを持っているようなケースが多いです。
小さい頃から、子ども自身に考えさせて、目標を持ってそれに向けて努力するように導いてあげると、勉強も進んでするようになります。
途中で挫折することなく、最後までやり遂げて目標を達成できるように親がサポートしてあげましょう。そして、何度も達成感を味わい、成功体験をさせてあげれば、非常に高いと思われるような目標にもチャレンジするようになります。
また常々将来の夢について考えたり、親子で話し合ったりする機会を持ち、明るい夢を描く子にしておいてあげることも大切です。
そしてその夢を実現するために、必要な力や、実現への道を教えてあげることで、その道をめざそうという意欲がわいてきます。
子どもが夢を語る場合、親はそれが荒唐無稽なものであっても、実現が非常に困難と思えるようなことでも、笑ったり冷やかしたり「とても無理」等と言って、子どもの夢を打ち砕くような対応をしてはいけません。
子どもの夢に共感し、一緒に夢をふくらませるような対応をしてあげれば、子どもは将来の夢を次々描くようになります。
その夢を実現するためには、こういう道に進み、こういう力をつける必要があるということを教え、その夢の実現のためのステップを子ども自身が考えられるようにしてあげるとよいでしょう。
人間は、望まないことは実現できないと言われています。
「どうせできっこない」と思うことは実現することはないでしょう。
「自分にもできるかもしれない」と思えば実現する可能性が出てきます。
「自分にもできるはず」と信じ、「必ず実現させる」という強い信念を持ち続けることが出来れば、実現するのです。
子どもが将来の夢を描き、大きな目標にむかって努力できるように親はサポートしてあげたいものです。
編集後記
勉強も、子どもに一言も「勉強しなさい」と言わないでも、子どもが進んで勉強するようになるのが理想ですね。
幼児期から上手な方法で育て、意欲と自主性にあふれる子にしましょう。
本記事画像著作者:pikisuperstar/出典:Freepik