自己肯定感の高い子に育てましょう(その2)

幼児 子育て
幼児向け
2023年11月30日
自己肯定感の高い子に育てましょう(その2)

親の一番の願いは、わが子が幸せな人生を歩むこと

幸せな人生に必要なこと

我が子が将来幸せな人生を歩むためには、どのようなことが必要になるでしょうか

  • 高い自己肯定感、明るいプラスの自己イメージを持つ
  • 夢と希望を持って生きる
  • プラス思考と楽観的な考えを持つ
  • 安心して暮らせる経済的基盤を築く
  • 好きで得意なことを仕事にする
  • 利他の心で人のため世のために尽くす
  • よい人間関係を築く
  • 「幸福度」を高める

以上のようなことが、幸福な人生になるために必要な条件ではないかと思います。
今回の読本では、1の自己肯定感の高いプラスの自己イメージを持つ子や、2のずっと夢と希望を持って生きていける子に育てる方法と、5の好きで得意なことを仕事にし、天職と呼べる仕事に出会えるようにする方法について考えてみましょう。

自己肯定感の高い子に育てる

人は描いた自己イメージ通りの生き方をしている

「人間は自分が考えているような人間になる」「自分はこういう人間である」と思っている、その通りの生き方をしていると言われています。
その自己イメージは、幼少期・子ども時代のまわりからの評価、特に両親の評価や声がけによって形成されることが多いのです。

自己肯定感の高い子にするために心がけたいこと

1.子どもに「生まれて来てくれてありがとう」と伝え続ける

  • 子どもを持てる幸せに感謝する
  • 自分たちを選んで生まれてくれた子どもに感謝の気持ちを持つ
  • 子どもに「あなたは私たちの宝物よ」と言い続ける

2.子どものすべてを受け入れ、最善の子どもを授かったと思う

  • 子どもは親を選んで生まれてくる
  • 親の役に立ち、親を助けるために生まれる子が多い
  • 人は人生の目的・使命・役割を持って、人生設計をして生まれてくる
  • この世で起こることにはすべて意味があり、「必然」「必要」「ベスト」である
  • 欠点や問題点なども含め、「オール肯定」で、子どものすべてを受け入れる
  • 常に子どもの味方、子どもの理解者であろうとする

3.マイナスの自己イメージが形成されることのないよう細心の注意をする

  • 子どもの前で子どもの欠点を口にしない
  • 子どもを叱る際、マイナスの自己イメージを持たせてしまう叱り方にならないよう注意する。
  • 子どもの弱点や欠点の指摘をしない。

4.褒め上手な親になる

  • 関心を持って子どもを注意深く観察し、小さな進歩を見つけてほめる
  • よいことをしているところを見逃さない
  • 子どもの優れている点を当たり前と思わずゼロベースでほめる
  • 期待過剰にならないよう注意する

5.長所伸展法で子どもを伸ばす

  • 欠点や弱点に注目するのではなく、長所・優れている点に注目してそれを評価する
  • 弱点の是正をするのではなく、優れている点を大きく伸ばすようにする

夢と希望を持って生きる子に育てる

親自身が夢と希望を持って生きる

親自身が明るい未来を信じて、いつも夢や希望を語り、それに向かって生き生きと意欲的に生きている姿を見れば、その影響で子どももそうなっていきます。
また、子どもからあんな大人になりたいと思われるような生き方をしたいものです。

親子ともに「無限の可能性」を信じ、「可能性の追求と能力開発」をする

大半の人が自分やわが子の可能性を過小評価していて、「自分(わが子)には無理」という制限を設けてしまっているようです。
人は誰もが無限の可能性を秘めています。大きな夢を持ち、持って生まれた可能性を引き出して大きく伸ばしていけば、本人もまわりも驚くようなことが出来るものです。
しかし、「自分もわが子も将来それほどたいしたことはできない」と思ってしまうことがあります。
自分やわが子の現在の状態を見て判断するとそう思えることがあるかもしれません。
しかし、人間は誰もが成長するものです。そしてやり方次第で自分でも驚くようなことができるものです。
「人間は誰もが成長するものである」ということを忘れないようにしましょう。

子どもの夢を膨らませる対応をする

子どもが夢を語った時、大人は「そんなことは無理」「世の中そんなに甘いものじゃない」「そんなことが出来るわけがない」などと言って、その夢を打ち砕くような対応をしてしまうことがあります。
そういう対応をされ続けると、子どもの心の中に「そんなことは自分には大それた望みだ。自分のような人間には出来るわけがない」と思ってしまいます。
子どもが夢を語った時には、「それは素晴らしい、是非とも実現させたいね」「やればきっと出来るよ」と言って、夢をさらに膨らませるような対応をしてあげるようにしましょう。

親はわが子を伸ばす「名伯楽」になる

「千里の馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず」
これは、千里を駆けるような名馬になる可能性のある仔馬はいっぱいいるが、それを見出し育てられる指導者はめったにいない、ということです。

身近にいる人から、大きな魅力的な夢を与えられ、「君ならできる」と言われ、その道筋を示され、努力するたびに激賞されるような対応をし続けられればどうなるでしょうか。
以下は、その効果の高さがよくわかる事例です。

小出義男監督
オリンピックの女子マラソンで銀・銅メダルを獲得した有森裕子選手、金メダルを獲得した高橋尚子選手を育てた小出監督は、選手に夢と目標を与え、褒め励ますという方法で偉業を達成させました。「お前なら世界一になれるよ」と言い続け、〇〇オリンピックで金メダルという魅力的で明確な目標を与え、それに至る詳細な道筋を示し、努力を激賞し続けた結果です。
(参考文献「君ならできる」小出義男著 幻冬舎)

吉田松陰
吉田松陰は幕末の時代に山口県の萩の松下村塾という小さな塾を1年数ヶ月やっただけで、明治維新を推進した偉大な人物を多数育成しました。80人の塾生のうち、50人が明治維新を推進する仕事にかかわって、その内26人が爵位(男爵、子爵)を授けられています。
初代の総理大臣伊藤博文はじめ、山形有朋、高杉晋作、久坂玄瑞などです。
吉田松陰は、塾生の長所や優れているところを見抜いて、それを「天下一!」と言って褒め続けたので、認められ評価された塾生は、心底嬉しくなって驚くほどの努力をして、めきめき力をつけたのです。
(参考文献「長所伸展の法則」船井幸雄著 小山政彦著 ビジネス社)

ナポレオン・ヒルの継母
鉄鋼王カーネギーの依頼で、世界の成功者500人を20年間にわたって研究し、その成果を成功法則としてまとめて世に出したナポレオンヒルは子ども時代不良少年でした。しかし新たに継母になった人の影響で、人生が180度変わり、世界の歴史に名を遺す偉業を成しています。この継母は貧しい鍛冶屋だった夫にも夢を与え、希望を持たせることによって夫を歯科医にしています。
(参考文献 ナポレオン・ヒルの巨富を築く13の条件 ナポレオン・ヒル著 田中孝顕著 きこ書房)

わが子が天職と出会えるようにする方法

さまざまな体験をさせてあげる

さまざまな体験をすることで、強い興味を持ったり熱中して取り組めるものが見つかることがあります。

  • 動物園、水族館、科学館、博物館、植物園、美術館、プラネタリウム、工場見学、各種体験教室(プログラミング、工作、理科実験教室)旅行、名所旧跡、キャンプ、登山、など

強い憧れを感じて自分もできるようになりたいと思うことがあります。

  • 演奏会、音楽会、観劇、スポーツ観戦など

好きなことに熱中して取り組めるようサポートする

好きなことに熱中して取り組ませる

  • やりたがることをとことんさせる(偏りを気にしない)
  • 得意なことをますます得意にする
  • 好きなことに没頭できる時間的余裕が持てるようにする
  • 学校の勉強が負担なくできるようにしておき、勉強に追われることのないようにする

好きなことを深め、発展させられるようにする

  • やっていることをステップアップしていけるようサポートする
  • レベルアップのヒントを与え、ベルアップに必要なものや情報を入手する
  • よい先生に出会えるようにする

偉人伝や伝記を読む

  • 偉人伝や伝記を読むなかで、あこがれの仕事や生き方が見つかり、「青雲の志」を持つことがあります。
  • 憧れの人物が見つかったら、同じ人物の他の偉人伝も読んでみるとよいでしょう。

いろいろな職業や生き方を見たり、話を聞いたりできる機会を持つ

  • 子どもが親の仕事が見られる機会を設ける
  • 親の人脈を使って、魅力的な人物に合わせる

小学校高学年、中高生のうちに「人生の設計図」を描けるようにする

  • 学校時代に「人生の設計図」が描けた子どもはその後素晴らしい人生を歩むものです。
    上記の2、3、4を実践する中でそのようなことが可能になります。

子どもの進路選択が親の価値観で左右されることのないよう注意する

  • 「子どもの人生は子どものもの」「親が口をはさむべきではない」ことを強く認識して子育てをする
  • 親の好みや価値観、親の希望、親の見栄などでミスリードすることのないよう注意する
  • 「好きな道に進んだらいいんだよ」と言い続ける

なぜあなたは生まれてきたのか(池川明著 青春出版社)

だれでも人の役にたつために生まれてくる

◆どんな人生にもある、果たすべき「使命」を知りましょう

生まれる前のことを覚えているお子さんの多くが、人は「役にたつために生まれてくる」と語っています。生まれる前の記憶によると、子どもたちは生まれてくるにあたり、それぞれ人生のミッションを掲げています。
生まれ変わりを繰り返す中で、たましいは成長を遂げようとしています。そしてその道筋として、「人の役にたつこと」をミッションとしているようなのです。
私は、子どもたちの話を聞くうちに、生まれてくるミッションは大きく2つに分けられることに気づきました。

  • 親、特にお母さんの役にたつこと
  • 自分の人生のテーマを追求すること

◆親に認められた実感が、人生に大きな影響を与えます

親子のすれ違いはよくあります。そこで「お母さんに幸せを運ぶ」というミッションを達成できたと実感できず、傷ついている子どもたちはたくさんいます。
自分を本当に愛してくれているのか試したり、親自身は自分の人生を生きているのか、激しい問いを突き付けたりします。
親子関係が試練の場になってしまった時、親御さんからお子さんに特に伝えてもらいたいのは、「生まれてくれて、ありがとう」という言葉です。

「何ができるからいい子」「何をしたから大事な子」という条件のまったくないところで、その子の存在そのものを認め、その思いを表現することが大切です。
すると子どもは「自分が生まれてきたことには意味があったのだ」と気づき、「生まれてきてよかった」「産んでくれてありがとう」と感じて、では「自分はどんな人生を送りたいのか」と思いをめぐらす種を、心に蒔くことになります。

人は人のために役に立つために生まれてきます。
「生まれてくれてありがとう」という言葉は、その人の存在そのものに対する感謝の表現です。
そして、感謝されるというのは「あなたは私の役にたちましたよ」という評価ですから、感謝された方は人生のミッションを果たしていることになり、最高の喜びになります。

◆本当に好きなこと、得意なことがあなたのミッションです

自分の好きなこと、得意なことを行いつつ、人の役にたてることが最も自然なミッションではないでしょうか。
本当に好きなこと、得意なことは、たましいが喜ぶことです。
たましいのここちよさを感じ取るには、直観を働かせなくてはなりません。
また、自分のしていることが本当に人の役にたっているのか、知性によって吟味する必要があります。役にたっているかどうか、最もわかりやすい目安は、自分の行動が人に感謝されるかどうかです。
(参考文献「なぜあなたは生まれてきたのか」池川明著 青春出版社社)

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