目次
日記とお手紙は文章力育成の最適の方法
その理由としては
1.書く楽しさが味わえる
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書いた手紙に返事をもらうのは嬉しいものです。
日記は好きなことを好きなだけ自由に書けるのがよいところです。
2.ほんの1~2行から始め、徐々に長い文章を書くようにステップを踏んで文章力を養える
3.楽しみながら文章力をつけられる
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お勉強や訓練としてではなく、楽しみながら文章力をつけられる。
内容も量もまったく自由で好きなことを好きなだけ書け、義務や強制がない。
上手に導いてあげれば、3歳でも日記やお手紙が書けるように なります。
文字が自力で書けるようになれば、日記やお手紙は書き始めることが出来ますし、次のような方法であれば、文字のなぞりが出来れば書くことが出来ます。
文字や文章の書きの指導
文字や文章は何歳くらいで書けるようになるでしょうか
3歳前後でひらがなや数字が書けるようになる子がいます。
私の指導経験では、もっとも早い例では2歳0ヶ月で書けるようになった子もいました。
鉛筆を持って落書きを始めた最年少記録は1歳0ヶ月の子でした。
早くから文字や文章が書けることの利点
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早い時期からひらがなが書けるようになると日記やお手紙、お話作りや「研究ノート」などが書けるようになり、書くことが好きになります。
2.早くに高度な文章が書けるようになります
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小さい頃から日記などを毎日書き続けていくと、文章力がどんどん高まっていって小学校で同年齢の子どもと比べて驚くほど高度な内容の文章を書けるようになります。
きちんとした文章を書ける能力は、読書力と同じく一生の貴重な財産になります。
文章を書くことが苦手でおっくうという人がけっこう多いものです。
文章を書くのが好きで気軽にまとまった文章を書ける人は意外と少ないものです。
文章を書くのが好きで得意な人は、小さい頃から日記や作文、お話づくりや「研究ノート」のようなものをいっぱい書いてきた人が多いものです。
以前取材でお会いした新聞社の女性記者に、どうして書くことが好きで得意になられたかお聞きしたところ、子どもの頃から、旅行から帰った後に紀行文を書くなど、いっぱい文章を書いてきたと言われていました。
3.学習がスムーズに進みます
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すらすら文字や数字、アルファベットが書けるようになると、学習がスムーズに進むようになります。
小学校入学前に無理なく楽しく出来る方法で、学力をつけておくことをお勧めしていますが、その前提となるのが、文章を読む力と書く力です。
文字や文章が書けるようになるためのステップ
早くから手先を使う遊びをいっぱいさせる
そのために小さい頃から手先を使う遊びをいっぱいさせてあげましょう。
「手は外部の脳」という言葉があるように、考えながら手先を使う遊びをいっぱいすることで、脳の発達を促進することも出来ます。
書く姿を見せて興味を持たせる
早い時期から筆記用具を持つようになる子の多くは、兄弟の上の子が書いている姿を見て、自分も同じことをしたいという気持ちを持った子です。
1歳0ヶ月の時、鉛筆を持って落書きを始めた子がいました。
その子はお父さんが教育関係の仕事をしていて、赤ちゃんの頃からひざに乗って、教材の採点をしているのを見て育った子でした。
自由な落書きやお絵描き・塗り絵などをする
まだ筆記用具が上手に使えない段階で、線の練習や文字・数字のなぞりなどをすると、書くのが嫌いな子にしてしまう恐れがあります。
そのために、裏が白紙のいらない紙、自由帳、ホワイトボードなどを用意しておいてあげましょう。ダンボール箱に紙を貼っておいて、いっぱい書いたらその上にまた紙を貼っていく方法、テーブルや机に紙を貼っておいて親子で始終何かを書くという方法も、書く力を養う上で高い効果があります。
なお、初めて与える鉛筆は太い三角の6Bのものがよいでしょう。
こどもえんぴつ6B
こどもえんぴつ もちかたサポーター
こどもえんぴつけずり
いずれもくもん出版
なぞり、見写し、自力書きのステップで徐々に書けるようにしていく
まだ自信がないうちに、自力で書かせようとすると、嫌がって書かなくなってしまう恐れがあります。
幼児はらくらく出来ることは喜んでしますが、ちょっと難しいことや自信のないことはしたがらないことが多いものです。
なぞりの練習は、次のようなドリルやカードがあります。
また、親がマーカーなどで下書きを書いておいてあげて、その上をなぞって書かせる方法もあります。
なぞりがスムーズに出来るようになったら、お手本を見ながら書くことをし、見ないで書けるようになったら、お手本なしで自力で書かせるようにしましょう。
文字・数字・アルファベットの練習用には、下記のようなドリルや教具があります。
★ドリル類
はじめてのひらがな
やさしいひらがな
ひらがなおけいこ
はじめてのすうじ
やさしいすうじ
すうじおけいこ
はじめてのアルファベット
やさしいアルファベット
以上いずれも、くもん出版
書き方カード(コーティングしてあるカードでマーカーで書いて消すことが繰り返し出来ます。文字サイズが大きく、表は書き順の順に色が変えてあり裏は縁取りのしてある文字をなぞって書きます)ひらがな、カタカナ アルファベット 漢字の4種類あります。
そのほかには、「おえかきせんせい」(書いた後レバーをスライドさせると消えるもの)水絵(筆に水をつけて書くと文字や線が現れ、乾くと消えるもの)なども楽しく取り組めます。
お手紙 日記 お話づくり 自由帳 研究ノート
お手紙を出して返事がもらえるのは、子どもにとっては大きな喜びです。
また日記は毎日書き続けていけば、どんどん上達していきます。
何か興味あることを調べて書いていくのも、学ぶ楽しさを味わい、文章力をつける上で高い効果があります。
これらは大人が働きかけ、ほめはげまし、評価してあげることで意欲的に続けていくことが出来ます。
参考図書:
「脳力を手で伸ばす」久保田競著紀伊国屋書店
「子どもは手からかしこくなる」伊藤忠彦・ 一色八郎著 学研
日記の上手な導き方
それを徐々に少しずつ 長い上手な文章が書けるように導いていく、そして出来るだけ毎日続けていくのが上達の秘訣です。
まだ自力で書けない場合はなぞり書きで
それをマーカーなどで大きな字を書いてあげて、その上をなぞらせるとよいでしょう。
お手本の見写し書き
子どもが言うのを書いてあげて見写し書きする
自力書き
書いた後は、読んであげて進歩した点を大いにほめてあげましょう。
絵日記の工夫
あるお母さんはお出かけの時やその日の出来事を撮った写真を宛名シールに印刷してあげて、その中から子どもが好きなシールをはがして、絵日記の絵を描くスペースに貼れるようにされました。これは子どもにとってはラクで楽しい方法なので、意欲的に日記を書くようになったと言われていました。
このなぞり、見写し、自力書き、というステップは、実際ある2歳児のお母さんがされた方法で、この子は日記だけで文字の読み書きすべてをマスターしました。
日記を楽しく続ける秘訣
親も一緒に書き続ければなお子どもの意欲が持続します。
また子どもが書きたいという意欲を起こすためには、日記に書きたいと思えるようないろいろな体験をさせてあげることも効果的です。
特に旅行から帰った後は、家族全員で紀行文のようなものを書くと、体験を文章にする楽しさが味わえます。このときも写真やパンフレットや入場券などを貼ったりスタンプを押すのもよい方法です 。
それから親自身が、常日頃新鮮な好奇心を持ってものごとを見たり、感じたりすること、親自身が物事に感動できるみずみずしい気持ちと感受性を持ち続けることで、子どももまわりのものを好奇心と感動できる心で見ることが出来ます。
日記を書き続けることで、物事を新鮮な好奇心を持って見て、それを上手に文章で表現できる力が育ちます。
基礎学力をつける学習をしておく一方で、そのつけた学力を使って何をするかも大切です。日記、お手紙、お話づくり、自由研究ノートなどは、子どもが自分の意思で自分の思うように書けるので、自主性を養う上でも高い効果があります。
本記事画像著作者:Freepik