幼児教育Q&A

幼児 2-3歳 子育て 質問
2-3歳児向け
2023年11月17日
幼児教育Q&A

繰り返しの大切さはわかりますが、同じ教材が続くと飽きてきて学習を嫌がります

もう1回やってみようという動機づけをする

「昨日は12分かかったけど、今日は何分でできるかな?10分でできたらすごいね。」などという声かけをして、さらによくできるようにしようという気持ちを起こさせるようにします。

  1. キッチンタイマーなどを使う
  2. 「これがピピピッ!と鳴るまでにできるかな?」

  3. ストップウオッチで時間を計る
  4. かかった時間を記録するグラフを書いてあげて、目標時間を10分とする場合、10分のところにカラーの線を引き、「今日はこの10分の線より下になるかな?」と言って目標を意識して取り組むようにします。

  5. お母さんと競争する
  6. 「おかあさんと〇〇ちゃん、どっちが速くできるかな?」と言って競争すると、ゲーム性が感じて喜んですることがあります。

    • 同じ教材をお母さんもやって、1枚をどちらが速く終わらせられるか競争する。
    • 子どもの1回分の学習と、お母さんの皿洗いなどの家事とどちらが先に終わるかなどの競争する。

小学校のクラスで、子どもたちが毎日毎日同じ100ます計算を一生懸命繰り返しやるのは、毎回時間を計るので、その時間を短縮しようという意欲を起こすからです。
また、誰が速く終わるかなどの競争心が働くと、一生懸命やるものです。

「昨日は間違いが1個だったけど、今日は100点になるかな?」と言って、よりよくできるように挑戦させるのもよい方法です。

「繰り返すごとに進歩しているのが子どもにもわかるような評価をしてあげることが大切」と言われています。

学習を終えた後に、以前より速くできるようになった、ミスが少なくなったなどの進歩が見られたら、大いにほめてあげましょう。

上記のキッチンタイマーを使って、目標時間内にできるのをめざして学習する場合、「ピピピッと鳴る前にできたら、このシールを貼ってあげるよ」と言って大好きなアンパンマンの大きなシールを見せたら大喜びで一生懸命やった、というような例があります。

飽きてきたら気分を変えて他のもので学習する

ある程度以上同じものを繰り返すと、新鮮な興味が薄れてきて、意欲的に学習することができなくなることがあります。
いろいろな動機づけをしても効果がない場合は、気分が変わるように他のものを使うとよい場合があります。
教材に代わるものとしては以下のようなものがあります。
(例)

  • 数字を大きな数字まで書いていく教材
  • →数字ノート、数書ロール(数字を書いていくロールペーパー)

  • 文字読みを学習する教材
  • →ひらがなカード、ひらがなことばカード、絵本、DVDなど

  • 文章読みを学習する教材
  • →絵本、かるた、ぶんカードなど

  • 文字や数字を書く教材
  • →くもんのかきかたカード(ひらがな カタカナ アルファベット)、おえかきせんせい(スライドさせると消せるもの)、タブレット用文字書きソフト

最初は意欲的に学習していたのですが、最近あまりやりたがりません

以下のような特徴は、3~4歳児には共通してみられる傾向です。

  1. 興味のあることは、集中して取り組むが、興味のないことは見向きもしないことが多い
  2. 集中して取り組める時間が短く、すぐ気がそれる
  3. 気分にむらがあり、意欲的に取り組むときもあるが、全くやる気が起きないこともある
  4. 忍耐力があまりなく、ちょっと難しいことや根気のいることは、投げ出してしまう

これらは、3~4歳児には共通して見られる特徴で、ごく普通の姿です。
「これでは困るので、何とかもっと集中して根気強く長い時間取り組めるようにしたい、やる気が起きない時も何とかやらせたい」などと考えて、させようとすると、いわゆる「辛いお勉強」になってしまって、勉強嫌いになってしまう恐れがあります。

5歳、6歳と年齢が進むと、急速に集中力や根気、持続力などが育ってきます。
またやるべきことは気分が向かなくてもやれる力も育ってきます。

まだまだ幼児性の強い3~4歳の時期は、その特徴を当然とこととしてそれを前提に学習するようにしましょう。
そして、決して辛いお勉強にならないよう、楽しい学習になるように注意しましょう。

やりたがらない場合はどうすればよいでしょうか

動機づけをしながら、やれる日を増やしていく

このQ&Aの中でご紹介しているような方法を試みることで、意欲を高めることはできますが、毎回うまくいくとは限りません。

そういう日は、何とかさせようとは思わず、教材以外の、子どもが好きで楽しく取り組めるもので能力を伸ばすようにするとよいでしょう。
また全くしないのではなく、気がのらない日はごくわずかにしておいてその量が自然に増えるのを待つのもひとつの方法です。

学習した日はカレンダーに〇をつけたり、シールを貼ったりして、その〇やシールが増えていくようにするのもよい方法です。

幼稚園3年間の前半と後半では、子どもは大きく変わりますので、徐々に出来る日を増やして、学習を習慣にしていくとよいでしょう。

お母さんも一緒に学習する

数学者の広中平祐氏は、子どもに「勉強せよ」と言ってはいけない。子どもの学習意欲をひき出すのは、親の口だしでなく、勉強したくなるような環境づくりだ。と言っています。

お母さんが毎日机に向かって何かをするのを習慣にして、それを見た子どもが寄ってきて自分も机に向かって何かをしたくなるというのが理想的です。

また幼児期から学習習慣をつけるには、親が上手にかかわってあげることは不可欠で、幼児の場合子どもがひとりで机に向かって学習し、それが習慣になるということはめったにありません。

お母さんが一緒につきあってあげて、動機づけをしたりほめたりすることで、徐々に学習が習慣になってくるものです。

楽しい遊びになる工夫をしましょう

子どもが、「楽しい!!」、「おもしろい!!」と思って目を輝かせるような工夫をすると、大人も驚くほどの効果があることがあります。

◆お母さんの工夫例

  • 学習済みの教材を1ごとにポストに入れる 
  • 郵便受けを作って、そこに教材を用意する
  • 学習済みの教材を入れるポストを用意する

「今日もキティちゃんからプリントが届いているか見てみようか」

「あっ 今日も届いている!!」

「じゃあ、今日もきれいに書いて、キティちゃんに送ろうね」

と言って、1枚終えるごとにポストに入れていく。
これが当たって、もっとする、もっとすると言ってやってはポストに入れることを繰り返して、たくさんの教材ができたとのことです。

次の日、郵便受けに教材とともに、キティちゃんからの手紙も届いていて、前日に学習したことへのコメントが書いてある・・・ というような工夫も喜びそうですね。

◆大好きな熊のぬいぐるみが声かけをする
 
お母さんの言うことは聞かないが、大好きな熊のぬいぐるみの言うことは何でも聞くので、お母さんの言いたいことをぬいぐるみに言わせるという方法です。

「さあ、〇○ちゃんは、今日も昨日みたいにがんばってプリントできるかな?」

これを腹話術のように、お母さんが声色を変えて話すのです。
これも素晴らしい効果があがっています。
(この手法は、3~4歳児にはちょっと幼稚すぎてダメかも・・?)

◆「負けん気」を起こさせる

「大きなお兄ちゃん、お姉ちゃんだと、これくらいはできるけどまだ小さい〇〇ちゃんには、ちょっと無理かなあ?」
「まだ小さい〇〇ちゃんには、ちょっと無理かなあ?」
「無理だったら、しなくていいのよ。」

こういう言い方をされると、負けん気を起こして、
「いや僕だって 私だってできる!!」と意欲を起こすことがあります。

「ずいぶん頑張ってやったから、もうこれ以上は無理じゃない?」と言われると、
「いや、まだまだできる!!」と言いたくなるものです。

驚いてほめる

大人が心底驚いてほめると、子どもは嬉しくなってもっともっとほめられたいと思うようになるものです。

  • 「えっ!!もうできたの!!」「うわぁ!!すごくきれいに書けたね。」
  • 「えっ!!こんなに難しいことができたの!!すごい!!」
  • 「えっ!!こんなにたくさんできたの!!すご~い!!」

これを大きな声で、感情こめて、「激賞」という形で行うと絶大な効果があります

あるお母さんは、学習が終わるたびに、抱き合って喜んでいる。
難しいことができたときは、やったやった!!と二人で飛び跳ねながら喜んでいると言われていました。

このお母さんの子どもは、ずっと意欲的で自主的に学習に取り組んでいますが、実のお姉さんから「あなたの子どものほめ方は異常だ」と言われてしまったとのことです。

人が見たら異常と思えるくらいほめ続ければ、子どもは嬉しくて嬉しくて、ずっと意欲を持続させることでしょう。
ただし、「心にもないことを大げさに」言うのは駄目で、「心からほめること」が大事です。

しかし、オーバーな褒め方と思えることでも、よく考えてみると決してオーバーではなく、本当にほめるに値することと思えてきます。
 
生まれてまだ3年、4年しかたっていない子が、こんなこともできるようになったのは、本当にすごいと思えるものです。

まだ何もできなくて当然で、短時間でも机に向かうだけでもえらいと思えば、心からほめられるものです。

昔から人を育てる天才と言われる人は、人をほめる天才です。
一番大切なわが子を、真剣に心からほめて育てるようにしましょう。

本記事画像著作者:Freepik